大学院生あきこが考えている毎日を書いていきます。
本の紹介もしようかな。

2007年01月16日

夢追い人なら

好きではないでしょうか、私も大好き
私信
太宰治



 叔母さん。けさほどは、長いお手紙をいただきました。私の健康状態やら、また、将来の暮しに就(つ)いて、いろいろ御心配して下さってありがとうございます。けれども、私はこのごろ、私の将来の生活に就いて、少しも計画しなくなりました。虚無ではありません。あきらめでも、ありません。へたな見透しなどをつけて、右にすべきか左にすべきか、秤(はかり)にかけて慎重に調べていたんでは、かえって悲惨な躓(つまず)きをするでしょう。
 明日の事を思うな、とあの人も言って居られます。朝めざめて、きょう一日を、充分に生きる事、それだけを私はこのごろ心掛けて居ります。私は、嘘(うそ)を言わなくなりました。虚栄や打算で無い勉強が、少しずつ出来るようになりました。明日をたのんで、その場をごまかして置くような事も今は、なくなりました。一日一日だけが、とても大切になりました。決して虚無では、ありません。
 いまの私にとって、一日一日の努力が、全生涯の努力であります。戦地の人々も、おそらく同じ気持ちだと思います。叔母さんも、これからは買い溜などは、およしなさい。疑って失敗する事ほど醜い生きかたは、ありません。私たちは、信じているのです。一寸の虫にも、五分の赤心がありました。苦笑なさっては、いけません。無邪気に信じている者だけが、のんきであります。私は文学をやめません。私は信じて成功するのです。御安心下さい。

 初めて読みましたが、いや〜なんだかすごい。
心が澄んでいるとはこういうことでしょう。つらいことも多かったでしょうに。私も、やめません。信じられるものは多くはないですが少しはあるかもしれません。私は生きて見せます。
posted by あきこ at 01:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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